この発表はAppleにとって特別なものになりました。なぜならパソコンメーカーとして始まったAppleが、初めて「全てのアーキテクチャを自社で設計するパソコン」を作ったからです。
これまではシステムの中心となる部品を他社に依存してきました。これはAppleだけでなく、全てのパソコンメーカーが同じ状況です。あのIBMでさえ、CPUは他社に依存していました。
しかし、AppleはiPhoneやiPadを段階的に自社製SoC(System on a Chip)の「Apple Silicon」にしたのと同じように、Macでもアーキテクチャの全てを自社のコントロール下に置きました。
「One more thing」のわずか1日後には、このM1チップを搭載した新型MacBook Airと新型Mac miniのベンチマークが定番ベンチマークテストアプリ「Geekbench 5」のサービス上に投稿されました。新型MacBook Airのベンチマーク結果が以下で、シングルコアのスコアが「1687」、マルチコアのスコアが「7433」という結果で、基本周波数は「3.20GHz」でした。
Mac miniのベンチマーク結果が以下。シングルコアスコアは「1682」、マルチコアスコアは「7097」、基本周波数は「3.04GHz」。
MacBook Proがこれ。シングルコアスコアは「1714」、マルチコアスコアは「6802」、基本周波数は「3.20GHz」。
MacBook Airのシングルコアスコアと、既存のAppleデバイスのシングルコアスコアを比べた結果が以下。Intel Core i9などに比べて、M1チップはシングルコア性能で群を抜いています。
ただ、マルチコアスコアを比較した以下の画像を見ると、2020年版iMacのCore i7や2017年版iMac Pro、2019年版Mac ProのXeonには、性能が及んでいないことがわかります。