ネット上に無断でアップロードされた漫画や書籍などを含む全著作物を、違法と知りながらダウンロードする行為を違法化する改正著作権法が6月5日、参議院本会議で可決、成立しました。試行日は2021年1月1日になっています。
変更点は?
改正法では、これまで違法の対象としていた音楽や映像だけでなく、漫画や書籍、論文、ソフトウェアのプログラムなど、全ての著作物に適用範囲を広げています。
当初では、19年の施行を目指していましたが、Webサイトのスクリーンショットを保存しただけで違法になる恐れがあるとの指摘や、改正案のきっかけとなった海賊版サイトの被害を訴える漫画業界から「創作を萎縮させる可能性がある」などの反対が相次ぎ、国会への提出を見送っていましたが、一部修正が行われることで成立しました。
除外対象は?
Webサイトのスクリーンショットやライブ配信などの映像などに映り込んだ著作物、数十ページに及ぶ漫画の数コマといった「軽微なもの」や、著作権者の利益に影響を及ぼさない「特別な事情がある場合」などは対象外とし、インターネットを使った情報収集を萎縮させるといった懸念の声に配慮しました。また、二次創作物やパロディー作品も対象から除外されています。
リーチサイト対策も強化。
さらに漫画などを無断で掲載する「海賊版サイト」の情報を集約して誘導する「リーチサイト」の運営も違法化となりました。この規制は一足早く20年10月1日から施行されます。